遠江天狗の群生地であり、天狗の土地と呼ばれる「静岡は遠州(静岡県西部地方)。」
その中でも、秋葉三尺坊同様に有名な深奥山方広寺の「奥山半僧坊(はんそうぼう)」の人となりについて書いていきます!
「海難防除」や「火伏の御利益」で昔から人気を集めている天狗です。
奥山半僧坊の姿、性格
奥山半僧坊とは、湖北五山の1つであり、臨済宗方広寺派の大本山「深奥山方広寺(しんのうざんほうこうじ)」を守る天狗です。
天狗の種類は全国様々ですが、伝承から以下の姿を想像する事ができます。(私調べ)
・僧侶型の鼻高天狗・法衣を着て袈裟をまとう
・眼光鋭い大男
・猿田彦に近い見た目
・羽が生えている
・航海術に長けている
・好物は魚の目
・元は人間
・空を飛びながら笛や太鼓を鳴らしたりする
・この梢(先端)から上半身だけ出したりする
半僧坊には、方広寺の創始者が中国から帰国のさい、荒れた海を先導し無事日本(博多)にお届けしたいうお話があります。
そのさい妖術とかではなく、「船長を指揮」「ふなのりを励まし」とあるので、とても人情があり航海術に長けた天狗なんだと予想できます。
そしてお話の中で「荒波に揉まれている船に突如姿を現した」とあるので、「羽」が生えているのだと思います。
さて、なんで山のイメージの強い天狗が航海術に長けているのか、、、?
恐らくですが、「好物が魚(魚の目)」だからだと思います。
遠州七不思議の「天狗の火」をはじめ、「浜名湖の天狗」「篠原の天狗」など遠州灘沿いの町には天狗にまつわるお話が多いです。
・海上に無数の火の玉が揺れていて、この火の玉の正体が天狗で、天狗が漁をしていた。
・山から降りてきた天狗が漁師の取ってきた魚の目だけを食べる。
的な内容が多いことから、海事情に長けていったのではないかと考えられます。
奥山半僧坊はどこから来たのか?
諸説ありですが、もともとは現方広寺のさらに奥、静岡県浜松市北区「富幕山(とんまく山)」にあった「森羅堂」の守護者だったそうです。
その森羅堂が廃絶のさい、現方広寺の敷地にある険しい場所に移り住んだのだとか。
また「森羅堂」は遠州修験道の通過点だったことから推測するに以下のような流れが考えられます。
↓半僧坊は元遠州の修験道(山伏)で、修行のすえ天狗になる。
・森羅堂廃絶で現方広寺(まだ寺はない)の場所へ移住する。
↓風の噂か特殊能力で、中国に修行へ行っていた僧が、この場所にお寺を立てるために帰国してくると知る。
↓風の噂か特殊能力で、台風で航海が難航していると知り助けに行く。
↓好物の魚を取るために遠州灘で鍛えた海の知識が生きる。
・無事生きて帰国させる事ができ方広寺の開山に繋がる。
という1つの仮説を立てる事でなんとなく姿を見る事ができます。
ちなみに、一説によると湖北五山の1つ「萬福寺」はかつて富幕山にあったんだとか。
奥山半僧坊の名前の由来
半僧坊は航海を助けたのち、開祖さまのお弟子となりました。
開祖さまがお亡くなりになる時、『お前は天狗だけど、半分は僧だよ!』的な言葉を言ってくれた事が本当に嬉しかったらしく「半僧坊」と名乗るようになったのだとか。
以上、半僧坊について現時点で分かってる事をつらつら書いてみました。
遠州七天狗の分布については別の記事にまとめてあるのでよかったら!
出典
http://www.hansoubou.com/
http://www.houkouji.or.jp/about.html
http://www.hansoubou.com/haneikai/newpage6.html
http://www.hansoubou.com/haneikai/newpage39.html
最後までお読み頂きありがとうございました!
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今まで恥ずかしさから絵だったけど、ついに正体を現しちゃたよ😉
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— 浜松のてんぐちゃん (@hmmt_tng) 2019年4月28日